■ これは職業柄でしょうか。
建物に入るとその傾きが分かるんですよ、僕。
んっ・・・・
若干傾きありやな。
と。
そもそもお家って傾くの?
と思われる方も多いかもしれないけど、
実は結構多いんですよ、木造住宅の経年による傾き。
傾いたお家の多くは、地盤が不同沈下している場合が多い。
不同沈下の主な原因は、
地盤の支持力不足
隣地の掘削工事によるもの
建物の荷重の偏り
地震
液状化
不適切な地盤補強
などが挙げられます。
中でも最も多い沈下のケースは・・・
このように、地山と盛土との自然圧密の差。
地山とは、元々ずっと土の状態だった土地。
盛土とは、その上に建物を建てるから後から土を入れた土地。
地山は長年に渡って雨水などを含んでいるので
もうこれ以上は下がらない。
一方盛土は、新しく土を入れてるから
経年で下がっていく可能性が高いってわけね。
そうならないためには、締め固めを行い、場合によっては
地盤を改良しなきゃいけないってことです。
その地盤改良工事を怠れば、結構高い確率でお家は傾きます・・・
経年で傾いたお家は、
サッシの開閉や建具と枠に隙間が生じたりと
日常生活を脅かすことになる。
新築されるときは、必ず地盤改良工事を行うことですね。
加えて地盤保証書を発行してもらうことです。
だいたいが10年保証になってます。
10年満たないお家が傾きはじめて、保証の対象になるのが、
1000分の5と言われています。
保証会社によっては、1000分の4・3とかもあるみたいですが。
これは何の数字かと言えば、
1000≒1m 5≒5㎜ になっており、
1mで5㎜の傾きがあれば、OUTってわけ。
例えば、6帖のお部屋がありますよね。
6帖って約2.7m×3.6mという寸法なんですが、
3.6m側の端から端で、1㎝8㎜傾いていれば
1000分の5に該当するってことです。
その3.6mの間にサッシが付いていれば、
間違いなく隙間や開閉に支障があると思います。
そしてその傾きをどうやって調べるか。
よくテレビなんかでビー玉を転がしていますが、
ビー玉の転がりで1000分の5を数値化はできないよね。
僕の会社は稀に傾きを調査してほしいという依頼も
請けるんですが、そんな時は・・・
ビー玉を28個持って行きます。
そして、一斉に28個のビー玉を転がす。
これで何が分かると思います・・・・?
そう。
何も分からない。
ただうるさいだけ~(/・ω・)/
冗談ですよ、冗談。(=^・^=)
こういう機械で図るんですよ。
実はこの機械の中には・・・・
小っちゃい宇宙人が入ってます!!
何かそんな雰囲気醸し出してるでしょ?
あ、ごめん。。。
この機械は、このように使用します。 ↓
奥に赤いレーザーラインが見えますよね。
このレーザーライン、完璧なる水平線なんです。
この水平ラインにスケール(メジャー)を床にあてて図る。 ↓
この数字は、床から11㎝位ですよね。
これを6帖のお部屋で一方の角が12.8㎝だった場合は、
1.8㎜の傾きありってことになる。
とても怖い不同沈下ですが、
お家のメンテナンスをプロに依頼する場合は、
このように傾きも調べてもらった方が良いですね。
何も問題なければ、良好な状態だと安心することにもなるしね。
こちらの記事もどうぞ

上野太一

最新記事 by 上野太一 (全て見る)
- 約100㎡の室内に間仕切り無しの1roomマンションリフォーム 神戸市 - 2018年2月2日
- 新年あけましておめでとうございます。 - 2018年1月1日
- 大阪市民泊リフォーム - 2017年11月3日
- 中古戸建住宅を購入し好みの内装にリフォームすれば、こんなにも素敵になるんです - 2017年9月27日
- 本当に心地よく、家族全員リフォームしてよかった!!! - 2017年9月15日
Tags: 建築道具
SECRET: 0
PASS:
ちっさい宇宙人…ピクミン?
上野さん、うち、完全に傾いてます。
素人なのにわかるほど。
こんなでもリフォームで済むものでしょうか…
SECRET: 0
PASS:
>yucchiさん
傾きを直してからリフォームをする。
ほんとはこれが一番。
でも、費用も…ね…
だいたいですが、木造住宅の不同沈下修正工事は300万~500万位が相場です。
なので、もうこれ以上は沈下しない。
皆さんそう信じて、内装の床だけを水平にする工事で留めているケースが多いと思います。
僕のお客さんでも多数そのようにされていますよ。
10年前と比べて、沈下が進行していないお家もあるしね。
ま、ケースバイケースですが、そのままリフォームしても個人的にはいいんじゃないかと。(^ν^)